エレベーターに乗って、行きたい階とは違うボタンをポチッ。
しかも他に人が乗っていると、間違えて止まった階で誰も降りないという、あの微妙な空気が流れます。
でも実は、エレベーターには一度押した行先階をキャンセルできる機種がかなりあります。
よく「もう一度押せば消える」「2回押せば消える」なんて聞きますが、メーカーや機種によって微妙に違う模様。
そこで今回は、主要メーカーの公式資料を中心に、間違えて押した階のキャンセル方法を調べてみました。
まず結論、「点灯したボタンをさらに2回」がかなり多い
最初にざっくりまとめると、現在の主要メーカーでは「登録済みの行先階ボタンを素早く2回押す」という方式がかなり多いです。
ここでいう「2回押す」は、最初に間違えて押した1回を含めて2回ではありません。すでに点灯しているボタンを、そこからさらに素早く2回押す操作です。
| メーカー・機種 | 基本操作 | 注意点 |
|---|---|---|
| 三菱 AXIEZ/AXIEZ-LINKs | 点灯中のボタンを素早く2回 | かご呼び取消機能あり |
| 三菱 NEXCUBE | 点灯中のボタンを素早く2回 | 取消機能はオプション |
| 日立 | 停止中に点灯中のボタンを2回 | 古い機種は操作が異なる場合あり |
| 東芝 | 点灯中のボタンを2回 | 取消機能搭載機種のみ |
| 東芝 非接触ボタン | 再度かざして点滅→点滅中にもう一度かざす | 通常ボタンとは操作が異なる |
| 日本オーチス Gen2 | 点灯中のボタンを2回 | すでにその階へ向かっている場合は不可 |
| 日本オーチス Order REVO | ドアが開いている間に2回 | 戸開中のみ |
| フジテック エアータップ | 登録済み階のセンサーへ再度手をかざす | 非接触操作の場合 |

「もう一回押す」じゃなくて、「間違えて押したあとにダブルクリック」なのね。ここ、普通に勘違いしてた。
メーカー・機種別のキャンセル方法


三菱電機|AXIEZ・AXIEZ-LINKsはダブルクリック
三菱電機の「AXIEZ」「AXIEZ-LINKs」では、公式取扱説明書に「かご呼び取消機能」が掲載されています。
- 間違った階のボタンが点灯していることを確認
- そのボタンを素早く2回押す
- ランプが消えればキャンセル完了
つまり操作としては、パソコンのマウスをダブルクリックする感覚に近いもの。
現行系のAXIEZでは基本機能として用意されていますが、少し古い「NEXCUBE」では、かご呼び取消機能そのものがオプション扱いでした。
そのため、同じ三菱製でも、取消機能を採用していない機種では何度押しても消えません。
日立|停止中に同じボタンを2回押す
日立ビルシステムでは、「かご行先階ボタンの誤登録取り消し機能」として案内されています。
- エレベーターが停止している状態で操作
- 間違えて登録した行先階ボタンを2回連続で押す
- 点灯が消えれば取消完了
ポイントは「停止中」と明記されていること。
なお、2017年に各メーカーへ直接確認した調査では、日立の2006年以前の古いエレベーターには「2回押し」と「長押し」が混在していたとの回答もあります。
古い日立製でダブルクリックしても反応しない場合は、そもそも現行型と操作方法が違う可能性があります。
東芝|基本は2回押し、非接触タイプはちょっと違う
東芝エレベータは公式FAQでも、行先階キャンセル機能を案内しています。
- 間違えて点灯している行先階ボタンを確認
- 同じボタンを2回続けて押す
- ランプが消えればキャンセル完了
現在の標準型エレベーターでも「行先階取消し機能」が基本仕様として用意されています。
東芝の非接触ボタンでは操作が異なります。登録済みの階へもう一度指を近づけて離すとボタンが点滅。その点滅中に、再び指を近づけて離すとキャンセルされます。
一方、2017年のメーカー取材では、2000年前後より古い機種や一部の荷物用エレベーターには取消機能がないとの回答もありました。
日本オーチス|機種によって条件がかなり違う
日本オーチスは、「2回押し」で済むものの、機種によってキャンセルできる条件に違いがあります。
Gen2では、点灯している行先階ボタンを2回続けて押せばキャンセルできます。
ただし公式取扱説明書には、すでにエレベーターがその階へ向かっている場合は取り消せないと明記されています。
さらに「Order REVO」では、キャンセル操作ができるのはドアが開いている間。戸開中に、間違えた行先階ボタンを2回続けて押します。
同じオーチスでも、「いつでもダブルクリックすればOK」とは限らないわけです。
フジテック|エアータップなら、もう一度かざすだけ
フジテックの非接触ボタン「エアータップ」は、かなり分かりやすい仕組み。
- 間違えて登録した階を確認
- その階の非接触センサーへ、もう一度手や指をかざす
- 登録がキャンセルされる
「エアータップ」は2020年に商品化され、エクシオールでは2020年12月から標準装備仕様となっています。
一方、通常のプッシュ式フジテックについては、現行エクシオールの公式資料から「キャンセル」機能自体が搭載されていることは確認できるものの、一般利用者向けページでは全機種共通の押し方までは確認できませんでした。



ネットには「フジテックは5回押す」って情報も残ってるけど、公式で確認できないものは覚えなくてよさそう。
キャンセルできないエレベーターもある
ここまで見ると「とりあえずダブルクリックすれば全部消せそう」と思ってしまいますが、そうでもありません。
- キャンセル機能そのものを装備していない機種
- 取消機能がオプションで、建物側が採用していないもの
- かなり古いエレベーター
- 一部の荷物用エレベーター
- すでに目的階へ向かう動作に入っていて取消できない機種
たとえば三菱のNEXCUBEでは取消機能がオプション。東芝も過去のメーカー回答では、2000年前後以前の古い機種や一部の荷物用では取消できないとしています。
パナソニックについても、2017年に行われたメーカー取材では当時「キャンセル機能なし」と回答しています。ただし現在のパナソニックはホームエレベーターや小型エレベーターが中心で、当時の回答を現行全機種へそのまま当てはめることはできません。
2回押してもランプが消えなければ、何度も連打するより「この機種ではキャンセルできない」と考えるのが無難です。
メーカーや機種を見分ける方法は?
問題は、乗った瞬間に「これ何社の何という機種?」なんて普通は分からないこと。
まずメーカーだけなら、かご内の操作盤や階数表示、インターホン付近などにあるメーカー名やロゴを探すのが一番簡単です。
- MITSUBISHI ELECTRIC/三菱電機
- HITACHI/日立
- TOSHIBA/東芝
- FUJITEC/フジテック
- OTIS/オーチス
ただし保守会社のステッカー=製造メーカーとは限りません。
エレベーターには、メーカーとは別の独立系メンテナンス会社が保守を担当しているケースもあります。
さらに厄介なのがリニューアル済みのエレベーター。古い設備でも操作盤だけ新しく交換されていることがあり、見た目だけで正確な機種名や年代を判断するのは困難です。
正確な機種まで知りたい場合は、建物の管理者が保管している取扱説明書や設備資料を確認するのが確実。一般利用者がサービス用の操作盤やカバーを開けて調べる必要はありません。
逆に分かりやすい例もあります。フジテックの「エアータップ」のようにボタン横へ非接触センサーが付いているタイプなら、通常の押しボタンとは外観から区別しやすくなっています。
分からなければ、まず「点灯したボタンを2回」でOK
結局、日常でメーカーと機種をいちいち判別してから操作するのは現実的ではありません。
間違った階を押してしまったら、まずは点灯しているそのボタンを素早く2回押してみる。
これで三菱、日立、東芝、日本オーチスの多くの機種に対応できます。
消えなければ、古い機種や取消機能がない仕様、またはキャンセル可能なタイミングを過ぎている可能性あり。
たった数秒の話なのですが、他人のいるエレベーターで間違った階に止まってしまう、あの妙な気まずさからは救ってくれるかもしれません。


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