すかいらーく「桃菜」はなぜ消えた?誕生から3年余りでブランド消滅した理由とは

2023年2月、すかいらーくグループから新しい飲茶専門店が誕生した。

その名は飲茶TERRACE「桃菜(とうさい)」。注文してから蒸す小籠包や焼売を少しずつ楽しめるオーダー式の飲茶食べ放題が話題になり、1号店には約2カ月も行列が続いた。

しかも、最初から小さく試して終わる予定のブランドではない。すかいらーくは開業時、2023年中に南関東で約20店舗、その後は全国展開まで予定していた。

ところが実際には13店舗で拡大が止まり、2025年から閉店が加速。2026年6月には三鷹店も閉店し、9月30日時点のすかいらーく公式「ブランド別店舗数」からは桃菜の名前そのものが消えている。

行列までできた新業態が、3年ちょっとでブランドごと消える。これ、単に「人気がなかった」で終わらせるには変じゃない?



さらに妙なのが、その後だ。桃菜が閉店した志木と三鷹では、同じすかいらーくグループのニラックスが「THE BUFFET 点心甜心」をオープン。同じ場所で、また小籠包や点心を中心とした中華食べ放題を始めている。

飲茶そのものがダメだったなら、なぜ跡地でまた飲茶をやるのか。桃菜は何に失敗し、点心甜心では何が変えられたのか。誕生からブランド消滅、そして現在まで追ってみる。

目次

桃菜はバーミヤンの「大成功した実験」から生まれた

YouTube:Haiji’s Japanese food collection「すかいらーく新業態『桃菜』の中華食べ放題が完璧すぎた!!」(2023年3月23日公開)




桃菜の始まりは、失敗どころかかなり景気がいい。



すかいらーくは2022年2月24日から3月11日まで、首都圏のバーミヤン15店舗で「飲茶食べ放題」を実験した。全26種類+ドリンクバイキングで1,649円。これがSNSを中心に話題となり、1店舗あたり1日80食を記録したという。

当初は約1カ月を想定していたが、予定数を超えたため約2週間で終了。需要はある。ただし通常のバーミヤン営業と飲茶食べ放題を同時に回すのが難しい。そこで、飲茶だけを切り出した新業態として作られたのが桃菜だった。

2023年2月1日、東京都町田市の鶴川に1号店をオープン。すかいらーくの発表では、飲茶を単に食べるだけでなく、中国茶と点心をゆったり楽しむ「飲茶という文化体験」まで含めた専門業態として設計されている。

オープン直後の鶴川店の様子は、上記の動画を見ると空気感まで分かりやすい。

参考:すかいらーくHD「飲茶TERRACE『桃菜』を東京都町田市に開業」/ITmedia ビジネスオンライン「バーミヤンでの実験を経て、23年に立ち上げへ」

1年で13店舗へ。会社自身も「好調」と説明していた

YouTube:romiyama「【桃菜】本格点心が街のファミレスで食べ放題!?すかいらーく新業態の飲茶専門店で夫婦爆食!」(2023年10月8日公開)



桃菜は、オープン直後に客が来なくて撤退したブランドではない。



すかいらーくの株主通信によると、2023年7月までに12店舗へ転換オープンし、「いずれの店舗も好調」と説明されていた。ガストから桃菜へ転換した三鷹店では、近隣のガスト3店舗の売上まで増えたという。

2024年1月末には13店舗。1号店の鶴川は約2カ月にわたり行列が続き、三鷹や南砂でも反響が大きかった。

しかも安いコースだけが売れていたわけでもない。基本の食べ放題はAコース24品90分2,419円、Bコース36品120分2,969円、Cコース49品120分3,519円。最上位のCコースを選ぶ客が4割強で、食べ放題客の平均注文数は約13皿。小籠包系は約9割が注文していた。

参考:すかいらーくHD 株主通信2023年/ITmedia ビジネスオンライン「すかいらーくの新ブランド『桃菜』が好調」

ここで大事なのは、桃菜は「誰にも支持されなかった店」ではないということ。話題性も客数も取り、会社側も好調と評価していた。それでも全国チェーンにはならなかった。

予定は約20店舗→全国展開。でも実際は13店舗で止まった

桃菜の違和感はここから始まる。


開業時には「2023年中に南関東で約20店舗、その後全国展開」と発表していたのに、実際には13店舗から先へ増えなかった。2024年1月の時点でも、新店舗について具体的な回答はなく、会社側は既存店の業態転換に向く立地を選びながら、オペレーションのトライアンドエラーを重ねていると説明している。

つまり、客の反応は良い。でも「この形のまま一気に増やしていいのか」については、早い段階から慎重になっていたことが分かる。

時期桃菜の動きその後
2023年2月鶴川に1号店年内約20店舗、その後全国展開を計画
2023年7月12店舗まで拡大会社側は「いずれも好調」と説明
2024年1月13店舗新規出店の具体策は示さず、運営を試行錯誤
2025年7月1号店・鶴川店が閉店ペルティカへ転換
2025年11月新所沢店が閉店トマト&オニオンへ転換
2026年1月川越新河岸・多摩センター駅前などが閉店資さんうどん、トマト&オニオンなどへ
2026年3月北本店が閉店トマト&オニオンへ転換
2026年5月志木本町店跡地THE BUFFET 点心甜心 志木が開業
2026年6月22日三鷹店が閉店桃菜の営業店が姿を消す
2026年7月23日三鷹店跡地THE BUFFET 点心甜心 三鷹が開業
2026年9月30日公式ブランド別店舗数「桃菜」の独立掲載なし

参考:すかいらーくHD「ブランド別店舗数」

「最初からダメだった店」なら話は簡単。でも桃菜は、好調と言われていたところから増えなくなって、そのあと消えていった。

桃菜はなぜ消えた?公開情報から見える4つの壁

すかいらーくは「桃菜を終了した理由」を一つの原因にまとめて公式発表していない。以下は、会社側が当時語っていた課題、実際の店舗運営、終盤の変更、後継業態をつなぎ合わせた本稿の分析。

1.出来たてを売りにしたぶん、オペレーションが軽くない

桃菜の魅力は、作り置きを並べる普通のブッフェとは違い、注文してから点心を蒸して熱々で出すことだった。

高火力のジェットスチーマーで短時間に蒸し上げ、配膳ロボットも導入。ただし蒸し器を使う料理は、出来たてを味わってもらうため基本的に人が運んでいたという。

食べ放題客は平均約13皿。1人が何度も注文し、そのたびに調理・盛り付け・配膳が発生する。さらに桃菜は「ゆったり飲茶」を掲げ、席間や通路も広めに取っていた。

客からすると、席を立たずに出来たてが次々届くのは快適。でも店側から見ると、長めの滞在時間と大量の小口注文を同時にさばく必要がある。

しかも、この問題は桃菜誕生前のバーミヤン実験でもすでに顔を出していた。飲茶食べ放題は好評だった一方、通常営業とのオペレーション共存が難しかったからこそ、専門業態として切り分けられている。

需要はある。けれど、需要があることと「何十店舗、何百店舗でも同じ効率で回せる」ことは別だった。

参考:ITmedia ビジネスオンライン「できたて熱々を届けるオペレーションの工夫」

2.「ちょっと桃菜」が作りにくかった

もう一つは、利用頻度。

バーミヤンで試した飲茶食べ放題はドリンク付き1,649円だった。一方、桃菜の基本的な食べ放題は2,419円から3,519円。内容も店の作りも違うので単純比較はできないが、ガストやバーミヤンのように「今日は軽く外食」で選ぶより、「今日は桃菜で食べ放題をする」という目的来店になりやすい価格と時間設定だった。

実際、すかいらーく側も2024年の時点で課題として挙げていたのが「食べ放題以外の楽しみ方」。平日の夕方など空く時間帯があり、ティータイム向けのドリンクやデザート開発、食事以外でも使えることの訴求が必要だと話している。

人気の食べ放題がある。それでも大型店を朝から夜まで埋めるには、ランチ、軽食、お茶、夕食と来店理由を増やしたい。桃菜は「特別に食べる日は強いが、普段使いの理由を増やす」ところで課題を抱えていた。

参考:ITmedia ビジネスオンライン「課題は『食べ放題』以外の楽しみ方の訴求」

3.「全国チェーンとして再現しやすい型」を作り切れなかった

桃菜は13店舗まで急速に増えたが、そこで止まった。

これはかなり重要な数字だと思う。1号店の評判だけを見ていた時点では、年内約20店舗、その後全国へという計画だった。それが13店舗で止まり、2024年の取材時点では新店の具体案より「立地を選定しながらオペレーションを試行錯誤している」という段階に戻っている。

飲茶食べ放題という商品は当たった。しかし、その商品をどの立地でも、同じ人員と設備で、安定した利益を出しながら回す型が完成していたかは別の話。

桃菜が消えた最大のポイントは、「飲茶が受けなかった」より、むしろここにあるように見える。

4.終盤には火鍋、値下げ、セルフ化まで試していた

拡大が止まった後の桃菜を見ると、同じ形を守り続けていたわけではない。

2024年には川越新河岸店で、飲茶に火鍋しゃぶしゃぶを組み合わせた食べ放題を1店舗限定で実施。商品側から来店理由を増やす試みが行われていた。

参考:食べて埼玉「桃菜で1店舗限定の飲茶&火鍋しゃぶしゃぶ食べ放題」


さらに足立入谷店では2025年1月16日、従来3種類だった食べ放題を2種類へ整理。店舗限定でAコース1,759円、Bコース2,089円へ大きく価格を下げ、それまで桃菜にはなかったバイキングコーナーも導入した。

YouTube:清水の舞台「【食べ放題大幅値下げ】飲茶TERRACE桃菜 足立入谷店、リニューアルオープン初日」(2025年1月17日公開)


会社がこれを「桃菜の失敗対策」と説明したわけではない。ただ、価格を下げる・セルフで取る料理を作るという変更は、従来の「注文して席で待つ飲茶専門店」からかなり大きな方向転換だった。

そして面白いことに、この「オーダー点心+セルフブッフェ」という組み合わせは、その後桃菜跡地へ入った点心甜心の仕組みにかなり近い。

桃菜の跡地はバラバラの業態へ。「店舗がダメ」だったとも言い切れない

閉店した桃菜の跡地を見ると、店舗そのものを丸ごと手放したケースだけではない。

  • 1号店の鶴川店 → ニラックスのイタリアン「ペルティカ」
  • 新所沢店 → 「トマト&オニオン」
  • 多摩センター駅前店 → 「トマト&オニオン」
  • 北本店 → 「トマト&オニオン」
  • 川越新河岸店 → 「資さんうどん」
  • 志木本町店 → 「THE BUFFET 点心甜心」
  • 三鷹店 → 「THE BUFFET 点心甜心」

つまり、「あの場所では飲食店として成立しなかったから閉めた」というより、同じ立地に別ブランドを当て直した店舗がかなり多い。

すかいらーくはもともと多数の業態を持ち、立地や周辺店舗との関係を見ながらブランドを入れ替える。桃菜もその中で、より収益を見込める業態へ置き換えられていったと見るのが自然だ。

ただ、それだけなら「桃菜より他の料理のほうが儲かるからやめた」で終わる。

ところが志木と三鷹だけは、桃菜を閉めた直後に、また飲茶・中華食べ放題を始めた。

「点心甜心」は桃菜の後継として2026年に生まれた店ではない

ここは少しややこしい。

2026年5月1日、桃菜 志木本町店の跡地に「THE BUFFET 点心甜心 志木」がオープン。さらに6月22日に桃菜 三鷹店が閉店し、7月23日に同じ住所で「THE BUFFET 点心甜心 三鷹」がオープンした。

これだけ見ると、「桃菜を終了して新しい飲茶ブランド・点心甜心を作った」ように見える。

しかし、点心甜心の系譜は桃菜より古い。ニラックスは2019年11月、南町田グランベリーパークに旧字表記の「THE BUFFET 點心甜心」をオープンしている。当時から台湾小籠包や中華料理を中心とした食べ放題だった。

つまり2026年に起きたのは、桃菜の中身をそのまま名前だけ変更したというより、ニラックスが以前から持っていた「中華ブッフェの型」を桃菜跡地へ持ち込んだと考えたほうが近い。

参考:ニラックス「THE BUFFET 點心甜心 南町田グランベリーパーク店」2019年オープン発表/点心甜心 志木店オープン発表/点心甜心 三鷹店オープン発表

桃菜と「THE BUFFET 点心甜心」は何が違うのか

同じ小籠包・点心食べ放題でも、店の作り方はけっこう違う。

比較桃菜THE BUFFET 点心甜心
中心コンセプト飲茶文化をゆったり体験点心+本格中華+麻辣湯+スイーツのブッフェ
料理の取り方タッチパネルのオーダー中心セルフブッフェ+一部オーダー点心
出来たて点心注文後に蒸して提供小籠包など一部は注文後に作って提供
客の動き席で待つ時間が長いブッフェ台・麻辣湯・デザートなどへ自分で取りに行く
料理の幅飲茶・点心を主役に一品料理点心以外の主菜・冷菜・飯麺・サラダ・デザートまで広い
運営会社すかいらーくレストランツブッフェ事業を長く手掛けるニラックス

点心甜心でも、小籠包などは注文ごとに作って出来たてを提供する。桃菜の魅力だった「熱々の点心」は捨てていない。

一方、麻婆豆腐、唐揚げ、炒飯、魯肉飯、冷菜、サラダ、台湾かき氷などはセルフで取る。ラーメンや春雨、麻辣湯、ショーケースのスイーツまで組み合わせ、店全体は明確に「飲茶専門店」より「中華ブッフェ」へ寄っている。

参考:THE BUFFET 点心甜心 志木 公式/THE BUFFET 点心甜心 三鷹 公式


桃菜が「客は席にいて、店側が出来たてを運ぶ」比重の大きい業態だったのに対し、点心甜心は出来たて点心だけをオーダー式で残し、それ以外は客が動くブッフェへ寄せた。ここが一番大きな違い。




桃菜で重かった可能性がある調理・配膳の負荷を減らしやすくしつつ、食べ放題の品数はむしろ増やせる。ブッフェ運営が本業のニラックスらしい設計とも言える。

YouTube:フロム埼玉「【埼玉グルメ・志木市】ビュッフェ・食べ放題 2026年5月1日オープンの新業態」(2026年7月18日公開)

では「点心甜心」の評判は?実は手放しで高評価でもない

ここまで見ると、「桃菜の弱点をセルフブッフェで解決して、点心甜心として完全復活」とまとめたくなる。

でも、実際の口コミを見るとそんなに単純ではない。

口コミ評価や件数は変動するため、以下は2026年9月~10月初めに確認できた内容をもとに整理している。個々の口コミは利用者本人の主観であり、店全体の品質を断定するものではない。

志木店は「熱々の点心」は好評。でも動線や食器への不満も

志木店の食べログ評価は、2026年9月確認時点で3.08前後。飛び抜けて高い数字ではないが、口コミの中身はかなり割れている。

肯定的な声では、オーダーした点心が熱々で届くこと、料理やデザートの種類、麻辣湯を自分好みに作れることなどが評価されている。スペシャルコースを「コスパがよい」とする口コミもあり、点心を1個ずつ頼めるため多種類を試しやすいという声もある。

一方で、低めの評価や不満として出ているのがブッフェ台の動線。料理やデザートを取る際に動きにくいという指摘があり、同じ口コミでは皿やティーポットの汚れが気になったとも書かれている。

別の口コミでは、点心の出来たて感や価格は評価しながらも、料理によっては「ファミレスと割り切ったほうがいい」と感じたという声もあった。

参考:食べログ「THE BUFFET 点心甜心 志木店」/動線・食器について触れた口コミ

つまり、桃菜より料理をセルフに寄せたことで品数は増えたが、そのぶん「取りに行く」「人とすれ違う」「ブッフェ台を回る」という新しいストレスも出ている。

三鷹店はGoogleマップ3.2。でも「客が来ていない」わけではない

三鷹店はさらに面白い。

Googleマップでは、2026年9月確認時点で3.2/21件。数字だけ見れば、かなり高評価とは言いにくい。

食べログも同時期に3.04前後。オープン直後に予約なしで行き、60分待ったうえで利用した人からは、焼きそば・餃子・炒飯などでお腹がいっぱいになる印象だったとして1.0の低評価も付いている。

ところが別の口コミでは、「コンセプトチェンジして正解」「一番下のグレードでも十分満足」と評価。さらに2026年9月の訪問者からは、オープン後は2時間待ちが当たり前だったほど混雑し、この日は11時30分で30分待ちだったという報告もある。

つまり、レビュー点数が低めだから客が来ていない、とは全く言えない。むしろ行列ができるほど客は来ているのに、評価は割れている。

参考:Googleマップ「THE BUFFET 点心甜心 三鷹」/食べログ「THE BUFFET 点心甜心 三鷹」

桃菜の問題を減らしたら、別の不満が出てきた

桃菜と点心甜心を並べると、かなり分かりやすい。

桃菜は、客が席に座ったまま何度も注文し、店側が出来たてを運ぶ。その体験は楽だし特別感もあるが、店側の仕事は多い。

点心甜心は、出来たてで価値が出る小籠包や点心はオーダーで残し、それ以外はセルフにする。店側は大量の料理をまとめて提供しやすくなる一方、今度は客側に「取りに行く」という仕事が増える。

その結果、口コミでは品数の多さ・自由度・麻辣湯・熱々点心を褒める声と、動線・混雑・料理ごとの品質差・セルフブッフェらしい落ち着かなさを気にする声が同時に出ている。

これは「点心甜心が失敗している」という話ではない。志木も三鷹もオープンからまだ数カ月で、混雑報告も多い。ただ、桃菜をセルフ化すれば全部解決、というほど簡単ではなかったことは見えてくる。

点心甜心は現在も運営方法を固定したままではなく、志木店では2026年9月から土日祝ディナーの「ごちそうコース」を時間無制限にする企画なども実施。客の使い方を探りながら調整を続けている段階に見える。

結局、桃菜は何に「失敗」したのか

桃菜を「飲茶が人気なかったから3年で消えた店」と説明すると、かなりの部分が抜け落ちる。

バーミヤンの実験は大盛況。桃菜1号店には行列。13店舗まで増え、会社自身も好調と評価。高いコースも売れ、小籠包は圧倒的な注文率だった。

その一方で、専門店化してもオペレーションは重く、平日夕方などには空席が出る。日常使いを増やすことが課題となり、店舗数は当初計画の約20店に届かず13店で停止。終盤には火鍋、値下げ、セルフブッフェまで試した。

そしてブランド終了後も、志木と三鷹では飲茶・中華食べ放題そのものが捨てられず、ニラックスのブッフェ方式へ置き換えられた。

桃菜は「飲茶食べ放題が受ける」ことには成功した。でも、その体験を全国チェーンとして効率よく繰り返せる運営の型を作り切れなかった。

公開情報から見る限り、これがいちばん筋が通る。

だから、桃菜という名前は消えたのに、桃菜が見つけた「熱々の小籠包をいろいろ食べたい」「中華を好きなだけ選びたい」という需要は残っている。

現在の点心甜心は、その需要に対して「全部を席まで運ぶのではなく、出来たてに価値がある料理だけをオーダーにして、残りはブッフェにする」という別の答えを出した形だ。

ただし口コミを見る限り、それも完成形とは言い切れない。桃菜で店側に寄っていた負担の一部を客側へ移したことで、動線や混雑という別の課題も出ている。

桃菜が終わって答えが出たんじゃなくて、「飲茶食べ放題って、どこまで店がやって、どこから客に動いてもらうのが正解?」をまだ実験してる途中なのかも。




2023年に桃菜が始めた実験は、ブランド名が消えた2026年で終わったわけではない。志木と三鷹を見る限り、形を変えてまだ続いている。

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