2026年9月30日、食品業界に特化したニュースサイト「日刊食品速報」のXアカウントから、気になるニュースが流れてきた。
埼玉県のもやしメーカー「サイキ食品」が事業停止。
食品メーカーの事業停止。それだけなら食品業界のニュースとして終わりそうな話なのだが、Xを見ていると妙なところで一気に騒ぎが広がっていた。
二郎系ラーメン店である。
「もやしが納品されない」「ヤサイマシができない」「スタッフが買い出しへ」「誰か新しい業者を紹介してほしい」……。
9月30日夜、二郎系・二郎インスパイア系の店から、もやしを巡る投稿が次々と流れ始めた。

もやし屋さんが1社止まっただけで、二郎系がこんなことになるの?
この記事は2026年10月1日未明時点で確認できた情報をまとめた速報記事です。現時点で確認できている報道は「事業停止」であり、破産などの法的手続きによる「倒産」と確定したものではありません。
発端は「サイキ食品が事業停止」という一報
発端となったのは、9月30日に食品速報(@syokuhinsokuho)が投稿したこちら。
投稿された文面は「もやしのサイキ食品(埼玉)が事業停止」。
サイキ食品は埼玉県所沢市の会社で、もやしやカット野菜などを製造してきたメーカー。
そして、この投稿から数時間もしないうちに、ラーメン店側から具体的な影響が見え始める。
ラーメン豚ヒロ「もやしの仕入れ先確保に動きます」
まず反応したのが、ラーメン豚ヒロ南砂町店。
食品速報のサイキ食品の記事を引用しながら、取引先のもやし工場が「事業停止または倒産」として、新たな仕入れ先確保に動くと発表した。
その後、同店による現状報告。
その日の午後に納品される予定だったもやしが来なかった。
スタッフが急きょ買い出しに出て、どうにか少量を確保。場合によっては早仕舞いになる可能性まで告知している。
「明日から困る」ではなく、ニュースが出た時点ですでに納品が止まっていた。



スタッフがスーパーにもやしを買いに走るラーメン屋さん。急に話がリアルになってきた。
ラーメン鷹の目、一時は「ヤサイマシ出来ないかも」
二郎系・二郎インスパイア系で複数店舗を展開する「ラーメン鷹の目」にも影響。
取引先のもやし業者が事業停止したとして、一時は「ヤサイマシ出来ないかも」という状況になった。
ただし、こちらは社長が奔走して別ルートを手配。通常通り営業できる見込みになったという。
すぐに代替ルートを確保できた店もある。
逆に言えば、いつもの業者から来なくなったもやしを、その日のうちに別の場所から大量に確保しなければならない事態になったわけだ。
ラーメン一心「東松山まで納品出来る業者さんいれば紹介してください」
かなり切実なのが、埼玉県東松山市のラーメン一心。
店が利用しているもやしの納品が来なくなり、営業自体はできるものの、ヤサイマシは当面できないと発表。
さらに、X上で東松山まで納品可能なもやし業者の紹介を募集している。
公式Xが客への営業案内だけではなく、仕入れ先を探す場所になっている。
これはなかなか見ない光景。
ラーメン英二「さて…どうしましょう」
ラーメン英二も、もやし業者の事業停止について投稿。
翌日の分はなんとかなりそう。
しかし、その次は八百屋も休み。
そして投稿の最後は、
「さて…どうしましょう」
この一言。
9月30日夜の二郎系ラーメン界隈の空気を、かなり正確に表している気がする。
自家製麺まさき「ラーメン店の皆様、モヤシ業者に確認を」
そして、新所沢の自家製麺まさき(非乳化)。
こちらも業者の納品事情により、翌日の営業で野菜マシ不可となる可能性を告知した。
面白い……と言っていい状況ではないのだが、ここで投稿の相手が客から同業者へ変わる。
「らーめん店の皆様」として、利用しているもやし業者に納品確認を取ってほしいと呼びかけた。
さらに、まったく連絡がつかない場合について「そういうことみたいです」と投稿。
つまり9月30日の夜になっても、まだ事情を把握していない取引店が存在した可能性もある。



客より先に、ラーメン屋さん同士で「一回もやし屋に電話した方がいいよ」と情報共有してる状態。
そもそも二郎系にとって「もやし」はどれだけ重要なのか
スーパーに行けば、もやしは普通に売っている。
「じゃあスーパーで買ってくればいいじゃん」と思ってしまうが、二郎系となると話はそんなに簡単ではない。
二郎系ラーメンといえば、大量に盛られた「ヤサイ」。店によってキャベツとの割合は異なるものの、その中心を占めるのがもやしである。
しかも注文ごとに「ヤサイ」「ヤサイマシ」「ヤサイマシマシ」と増えていく。
もやしは二郎系にとって、ちょっと添える野菜ではなく、ラーメンの見た目とボリュームを作る主要パーツ。
1人前ならスーパーで数袋買えば済むが、店の営業で使う量となれば当然その比ではない。
- 毎日まとまった量が必要
- 鮮度が落ちやすいため大量に長期保存しにくい
- 毎日の定期配送が必要
- ヤサイマシによって使用量も大きく変わる
- 突然別の仕入れ先へ切り替えるにも配送ルートや在庫の問題がある
豚ヒロのようにスタッフが買い出しへ行けば、その日の営業をしのぐことはできる。
でも毎朝、店員がスーパーを何軒も回って大量のもやしを買うわけにはいかない。
今回の騒動は、普段客からはほとんど見えない「大量のもやしを毎日決まった時間に店まで持ってくる業者」の存在を、突然表に引っ張り出した。
実はサイキ食品、夏にももやしの出荷トラブルが起きていた
今回の話には前兆らしき出来事もあった。
日刊食品速報は2026年7月3日ごろ、サイキ食品について2工場のうち1工場で排水設備が故障し、出荷制限を強いられていると報じている。
そして7月22日には、排水トラブルが起きていた工場が徐々に復旧しているとの続報も出た。
一度は復旧へ向かっているように見えたが、それから約2か月後の9月30日、今度は「事業停止」というニュースが飛び込んできた。
ただし、夏の排水設備トラブルと今回の事業停止に直接の因果関係があると確認されたわけではありません。事業停止に至った詳しい理由は、現時点では不明です。
「事業停止」と「倒産」は現時点では分けて考えたい
今回、ラーメン店側の投稿では「事業停止または倒産」といった表現も使われている。
ただし、9月30日時点で確認できる日刊食品速報の記事タイトルは「事業停止」。
破産手続き開始、民事再生などの法的手続きが正式に確認されたわけではないため、現段階で「サイキ食品が倒産した」と断定するのは避けたい。
何が起きて事業停止に至ったのか。夏の設備トラブルとの関係はあるのか。そして事業はこのまま終了するのか。
このあたりは続報待ちとなる。
10月1日、二郎系の「ヤサイ」に何が起きるのか
9月30日夜の時点で確認できただけでも、豚ヒロ、鷹の目、一心、英二、自家製麺まさきなどで、もやしの仕入れを巡る投稿が出ている。
対応もバラバラ。
- 別の仕入れ先を確保
- ヤサイマシを休止
- スタッフが買い出し
- 早仕舞いの可能性
- Xで新しい納入業者を募集
- 他のラーメン店へ仕入れ確認を呼びかけ
もちろん、すぐ代替業者を確保して何事もなかったように営業できる店もあるだろう。
ただ、ニュースが出たその日の夜にこれだけの投稿が出ている以上、10月1日以降、別の店から同様の告知が出てくる可能性もある。
いつもなら「ニンニク入れますか?」の一言のあと、当たり前のようにドサッと盛られる大量のヤサイ。
そのもやしが店まで届くことを、客はもちろん、普段はほとんど意識しない。
でも、その供給が突然止まると「ヤサイマシ」が翌日から消える。
一晩のXを追っているだけで、サイキ食品という1社が、少なくとも関東のラーメン店の裏側をかなり支えていたことが見えてきた。
10月1日の営業開始後、各店からどんな告知が出てくるのか。これはもう少し追ってみたい。
今回の記事に登場したラーメン店の情報
今回のもやし供給問題についてXで発信していたラーメン店の所在地や公式SNSをまとめておく。
営業状況や「ヤサイマシ」の提供状況は今回の件で急きょ変更される可能性もあるため、来店前には各店の公式Xで最新情報を確認してほしい。
| 店舗 | 住所 | 電話番号 | 公式HP・SNS |
|---|---|---|---|
| ラーメン 豚ヒロ 南砂町店 | 東京都江東区北砂5-15-9 | 確認できず |
公式X(@butahiro_02) 公式Instagram |
| ラーメン鷹の目 獨協大学前本店 | 埼玉県草加市栄町2-9-12 | 048-936-2202 |
公式サイト 公式X(@Takanome_OA) |
| ラーメン 一心 | 埼玉県東松山市古凍868-3 | 非公開 | 公式X(@issin2015) |
| ラーメン英二 | 東京都府中市晴見町3-1-22 レジェンドチダ第2ビル1F | 非公開 | 公式X(@ra_meneiji) |
| 自家製麺まさき(非乳化) | 埼玉県所沢市松葉町30-23 | 確認できず |
公式X(@jksm_masaki_2) 公式Instagram |


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